先生になるには(前編)

教師、という職業に就くには「教員免許」という国家資格を手に入れたあとに、各地方自治体が開催する「教員採用試験」に合格する必要がある。


年々、教員採用試験の倍率は、教員の激務化によって下がってきているが、それでも合格難易度は比較的高い(難しい)。


今回は、色々とリアルを経験した俺から、教員になろうとしている志高い諸君に、あるいは、教職とは全く縁のない皆さんに少しでも詳しくなってもらうために、申し訳程度のリアルな情報提供をしたいと思う。


教員免許の取得

まずはこれをしないことには始まらない。バスの運転手になりたい人間が、まずは自動車免許を取ったり、ライブをしたい人間が、楽器屋行ってギターを買うように、基本のキにあたることである。


大学を選ぶ

まず、どうしたらいいのかだが、教育系の大学卒(四大卒) が前提である。意外かもしれないが、このブログで紹介したGTO鬼塚英吉も、熱血教師漫画で有名な「ごくせん」のヤンクミも、大卒である。【教員採用試験】を受けるための大前提条件なので、先生になりたいのなら、まずは大学に進学する必要がある。

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有名な大学に行くに越したことはないが、履修科目が揃ってさえいれば、どんな大学でも構わない。特に、社会科の教員免許を取得する場合は、結構色んな大学で取れたりする。まずは、自分の行きたい大学をリサーチし、どのような教員免許が取れるのかを確認しておこう。




免許取得に必要な授業の単位取得


大学に進学出来たら、教員免許取得に必要な科目を自分で時間割に組み込んで、その単位を取得する。


全日制の高校に通ってた人は、いまいちピンとこないかもしれないが、各授業には単位数というものが存在する。高校では、欠課超過にならなければ単位が取得できるので卒業出来ているはずだが、大学でもそれは同じで、一定の単位数を取得することが、学校を卒業する条件になる。
ちなみに「留年」という現象は、この卒業するための単位が不足するため起こるのである。


ここでポイントになるのは、教師を目指す人間は、

卒業認定のための単位+教員免許をゲットするための単位

を取得する必要がある。何が言いたいかというと、授業数がアホみたいにえぐいことになる。もし教師を目指す読者がいたのなら、それだけは覚悟してほしい。


さて、必要な科目、と言ったが、校種(幼小中高)、教科(国数英etc)、免許レベル(一種、二種) によって、バラバラであるため、大学の事務員あるいは教員に確認する必要がある。免許のレベルについては、詳しい説明は省くが、高校教師になる場合は【一種免許】を取らなければならない。


教育実習

教職に就く前のビッグイベントといえば 教育実習 だろう。学生時代、自分よりも少しだけ年上のにーちゃんねーちゃんが来て、まごまごしながら教壇で授業をしてる光景を一度は目にしたことがあるはずだ。あれは、さっき説明した、教員免許取得のための科目の1つなのである。


これが非常~~~に面倒くさい。この高難易度クエストのせいで、教員になるのを諦める人間が出てくるのも事実なのだ。


まず、毎日の記録として日誌を書いて担当の先生にチェックを受ける必要がある。その日にやった業務内容、それにかけた時間、反省点、細かい項目を端から端まで綺麗に書き上げなくてはならない。

そして、授業を行っていくわけだが、このときに、かなりメンタルが持っていかれる。寝る時間を惜しんでまで、それこそ朝の3時に寝るなんてザラなのだが、実習生は必死に事前に教材研究をして臨む。しかし、素人の授業に対して、担当教官は例外なくボロクソに学生の授業を叩く。マジで容赦ない。小学生相手にドッジボールで全力でボールぶつける的な、大人げのない大人の闇を垣間見る瞬間である。そ、ぞんなにいわなぐでもいいぢゃん……って感じで泣き出す女子大生もちらほら。メンタルを錬金術でかなり固くしておく必要がある。


さらに、ハズレの担当を引くと、かーなーり厄介なことになる。
「もっと深い内容を(日誌に)書け」「教師に(あなたは)向いてないよ」「まさかもう帰るの?他の先生はまだ仕事してるのに」「朝早く学校に来て掃除してください」「そんな生半可な気持ちで教師になられちゃ困る」
などと、人権を踏みにじられるような発言をされることも珍しくない。幸いにも俺はそういう説教や嫌味を言われることがそんなになかったので、なんとか乗り切ることが出来た。


新人研修、というよりも、普段生徒のせいで溜まっているストレスを若者にぶちまけるコーナー、としての性質が強い気がする。この耐えられるか耐えられないか、という分岐点で、耐えられなかった約半数の教員のたまごは、免許だけを取得する「ペーパー教員」となる。今考えると、あれぐらいの理不尽が耐えられない人間は、おそらく教師になったときに真っ先に病んでしまうと思う。その時にギブアップするのは、ある意味賢明な判断だとも言える。





次回は、実際に教師として働く前後の話、具体的には教員採用試験の話をまとめようと思う